この物語で感動しない人はいないのではないでしょうか?
塁審ジム・ジョイス氏の誤審によってアーマンド・ガララーガ選手の完全試合が幻になったという物語ではありません。
誤審後の物語です。
ジョイス氏は誤審の後、難の嵐の中にいました。
MLB機構がジョイスに対し「この試合は休養してもいい」と告げたが、ジョイス氏は出場を決めました。先の誤審も真剣にジャッジしたという自負があったし、
ここで逃げたら二度と審判を出来なくなると思ったからです。
ジョイス氏登場、そこですごいブーイング。
その時、メンバー表を持ったガララーガ選手がフィールドに出てきてジョイス氏と握手をしたのです。
相通ずるものがあったのでしょう、二人は抱き合いました。
すると、ジョイス氏にブーイングする観客もいた球場の空気が一変し、暖かい拍手に包まれました。
ジョイス氏は涙を浮かべて率直に誤りを認め、ガララーガ選手に誤審を謝罪しました。
ガララーガ選手は「彼のほうが辛い思いをしているだろう」と気遣い、さらに「完璧な人間なんていやしないさ」、
「一つのミスよりも、ジョイスのそれまでの無数の正確な審判を見るべきだ」とジョイス氏をかばうコメントを出しました。
ガララーガ選手は、「あの日、自分自身が最高のピッチングができたということが嬉しいんだ。それが自分でわかっていたからね。それで満足さ。」と微笑みました。
余談ですが、ジョイスが誤審した直後、インターネット上には "Fire Jim Joyce" (ジム・ジョイスをクビにしろ)というタイトルのブログが登場しましたが、このブログは翌日になって「ガララーガとジョイスの談話を聞いていて思ったことがひとつある。彼らは2人とも私より人間性の優れた人物だということだ」と投稿しています。
なんか、素晴らしいなぁ~と思いました。